映画(全ジャンル)

1981年の映画をおさらい <Part 2. >

通常はホラー映画やホラーゲームの感想、考察やご紹介をしている当サイトですが、今回は趣向を変えまして特定の年代に絞り、その年はどのような映画が制作、公開されたのか?をご紹介したいと思います。

私の大好きなホラー映画「死霊のはらわた」が公開された1981年にスポットを当てます!前回に引き続きPart 2. です。

ちなみに当時の「食」やエンタメ界はどうだった?
  • 東武動物公園オープン
  • バラエティー番組「オレたちひょうきん族」 放送開始
  • ロッテ「雪見だいふく」発売
  • 赤城乳業「ガリガリ君」発売
  • クイズ番組「なるほど!ザ・ワールド」放送開始
  • 明星食品「中華三昧」発売
  • 永谷園「麻婆春雨」発売
  • コンビニエンスストア「ファミリーマート」事業開始
  • 第23回日本レコード大賞は寺尾聰「ルビーの指環」
  • アニメ「忍者ハットリくん」放送開始
  • アニメ「うる星やつら」放送開始
  • アニメ「じゃりン子チエ」放送開始
  • アニメ「Dr.スランプ アラレちゃん」放送開始

1981年の映画って何がある?

Part 2. では15作品をピックアップします!

マッドマックス2(オーストラリア映画)Mad Max 2

監督/脚本 ジョージ・ミラー

音楽 ブライアン・メイ

キャスト メル・ギブソン、ヴァーノン・ウェルズ、ブルース・スペンス

前作('79)のヒットを受けて制作された。ミラーもギブソンもこの映画で一躍メジャー入りとなる。2作目は完全に文明が崩壊し荒廃した世界を舞台に殺伐とした争いが繰り広げられる。この映画に影響を受けた漫画「北斗の拳」でいうところのザコキャラもさらに増加し、その風体や挙動などから独特の世界観により一層の磨きがかかっている。

炎のランナー(イギリス映画)Chariots of Fire

監督 ヒュー・ハドソン

出演 ベン・クロス、イアン・チャールソン、イアン・ホルム

第54回アカデミー作品賞、作曲賞などを受賞。テーマ曲は全米チャート1位を獲得。

ポゼッション(仏西独合作映画)Possession

監督/脚本 アンジェイ・ズラウスキー

出演 サム・ニール、イザベル・アジャーニ

サム・ニールはこの年「オーメン/最後の闘争」にも出演。

ロアーズ(アメリカ、南アフリカ合作映画)Roar

監督/脚本 ノエル・マーシャル

制作 ティッピ・ヘドレン、ノエル・マーシャル

撮影 ヤン・デ・ボン

出演 ティッピ・ヘドレン、ノエル・マーシャル、メラニー・グリフィス

CGではないリアルな肉食獣が登場する。今だったら完全にアウトな内容。ジャンルとしてはファミリー向けなのだろうが、「間違って食べられていてもおかしくないやん」という目線で見ると非常にスリリング、どころか恐怖を感じる出来栄えとなっている。ティッピ・ヘドレンはヒッチコックの「鳥」に出演。アニマルパニック映画で本格的に女優としてスタートしているが、その後1970年前後に映画撮影でアフリカを訪れた際に野生動物の現状を知り、周知させる為に「ロアーズ」を制作。今作には着想から公開まで実に10年以上(撮影開始は'74)の歳月を掛けているが、配給会社と意見が合わず北米では公開が見送られ、制作費1,700万ドルに対し200万ドルの興行収入しか得られなかった。しかしヘドレンはその後も非営利団体のRoar Foundationを設立して猫科の野生動物を救う活動に本腰を入れている。

今作には調教されていないライオンやトラなど150頭以上が使われており、スタッフの多くが襲われ怪我を負った。娘のメラニー・グリフィスは「ワーキング・ガール」 ('88) などで有名な女優だが彼女も襲われ失明の恐れもあったほどの重症を負っている。ちなみに母ヘドレンもライオンに噛まれて怪我をしており壮絶な撮影現場だったことが伺える。ヘドレンは2023年11月現在、93歳でご存命。

撮影のヤン・デ・ボンは「ダイ・ハード」「ブラック・レイン」「氷の微笑」など多くの大作に携わり、「スピード」や「ツイスター」では監督としてもヒットを飛ばしている。

ヘルナイト(アメリカ映画)Hell Night

出演 リンダ・ブレア

ブレアはレジェンド的カルト映画「エクソシスト」で悪魔に憑りつかれた少女リーガン役で有名。

デビルスピーク(アメリカ映画)Evilspeak

出演 クリント・ハワード

この映画は30年以上前にテレビで観ました。それ以来観てないのでDVD買って観たいなって思ってます。そしたらまたブログでお伝えします。主役のクリント・ハワードの兄は映画監督のロン・ハワード。「バックドラフト」「アポロ13」などメジャー作多数。姪は「ヴィレッジ」「ジュラシック・ワールド」などで有名な女優ブライス・ダラス・ハワード。

ハウリング(アメリカ映画)The Howling

監督 ジョー・ダンテ

出演 ディー・ウォレス

ダンテは「ピラニア」「グレムリン」「メイフィールドの怪人たち」などの監督。女優のウォレスは「サランドラ」「E.T.」「クジョー」「スリー・フロム・ヘル」などに出演。

白いドレスの女(アメリカ映画)Body Heat

監督/脚本 ローレンス・カスダン

音楽 ジョン・バリー

出演 ウィリアム・ハート、キャスリーン・ターナー、リチャード・クレンナ、ミッキー・ローク

同年の映画「レイダース」では脚本を務めたカスダンが監督。アカデミー主演男優賞を受賞したこともあるハートは2022年3月、病気により71歳で亡くなっている。クレンナは私のお気に入りのホラー「新・悪魔の棲む家」に出演してる他、「ランボー」のトラウトマン大佐役が有名。後に大ブレイクするミッキー・ロークも出演している。

海辺のホテルにて(フランス映画)Hôtel des Amériques

監督 アンドレ・テシネ

出演 カトリーヌ・ドヌーヴ、パトリック・ドヴェール

ドヌーヴは2019年、76歳で是枝裕和監督の日仏合作映画「真実」にて主演を務めている。

インキュバス 死霊の祝福(アメリカ映画)Deadly Blessing

監督/脚本 ウェス・クレイヴン

音楽 ジェームズ・ホーナー

出演 マレン・ジェンセン、スーザン・バックナー、シャロン・ストーン

クレイヴンは「サランドラ」「エルム街の悪夢」「スクリーム」シリーズの監督で有名。シャロン・ストーンは当時23歳、デビュー間もないまだ無名の頃。同年の「愛と哀しみのボレロ」にはノンクレジットでおよそ2分間出演。その後もコンスタントに映画に出演しているが大ブレイクした「氷の微笑」は1992年なので今作から11年後となる。

ジェームズ・ホーナーは言わずと知れた映画作曲家で「薔薇の名前」「エイリアン2」「アメリカ物語」シリーズ、「アポロ13」「タイタニック」「ディープ・インパクト」「アバター」など超大作の映画音楽を数多く担当。2015年6月に単独の飛行機事故にて61歳で亡くなっている。

エクスカリバー(イギリス、アメリカ合作映画)Excalibur

監督/脚本 ジョン・ブアマン

原作 トマス・マロリー

音楽 トレヴァー・ジョーンズ

出演 ナイジェル・テリー、ヘレン・ミレン、パトリック・スチュワート

トレヴァー・ジョーンズは南アフリカの作曲家。今作以降に「ラビリンス/魔王の迷宮」「エンゼル・ハート」「ミシシッピー・バーニング」「クリフハンガー」「ノッティングヒルの恋人」そして日本映画「亡国のイージス」などメジャー作品を数多く手掛ける。

ガブリエル・バーンは今作で映画デビュー。リーアム・ニーソンも本格的なデビューは今作と言っていい。どちらも遅咲きで特にニーソンはサミュエル・L・ジャクソンばりに中年になってから大作で主役を多数演じるようになる。

S.O.B(アメリカ映画)

監督/脚本 ブレイク・エドワーズ

音楽 ヘンリー・マンシーニ

出演 リチャード・マリガン、ジュリー・アンドリュース、ウィリアム・ホールデン、ロバート・ヴォーン

監督のエドワーズは「ティファニーで朝食を」「酒とバラの日々」「ピンク・パンサー」シリーズで知られる。作曲家のマンシーニはそのエドワーズ作品の大半の映画に携わっている。1980年に「ピンク・パンサー」シリーズで主演を務めてきたピーター・セラーズが他界。その後もシリーズ作品を制作するも不発に終わり、1993年公開の「ピンク・パンサーの息子」が最後の作品になるが、セラーズに加えて1994年にマンシーニが亡くなったのも監督業を退く部分で大きかったのではなかろうか。出演しているジュリー・アンドリュースとは1969年に再婚し、2010年に病気で亡くなるまで共にしている。

出演者のホールデンは今作撮影後に事故により63歳で他界。彼とヴォーンは1974年のパニック映画「タワーリング・インフェルノ」に揃って出演している。ヴォーンは「スーパーマンⅢ」の悪役ロス・ウェブスター役でも知られる。

エンドレス・ラブ(アメリカ映画)Endless Love

監督 フランコ・ゼフィレッリ

出演 ブルック・シールズ

ダイアナ・ロスとライオネル・リッチーが歌い上げる同名の主題歌は甘く切ないデュエットソングとして大ヒット。トム・クルーズが端役でデビューしている。

ブルック・シールズは「青い珊瑚礁」と「エンドレス・ラブ」によってその美貌面からも世界的なスターの仲間入りを果たすも、今作の興行収入は芳しくなく、彼女自身もラジー賞最低女優賞にノミネートされる。続く「サハラ」も制作費を大幅に下回る興行収入となり大失敗を記録。第五回ラジー賞では女優として初めて最低助演男優賞を受賞(劇中で男装した為)。その後は大学生活により映画界から少し離れると日本においては人気が低下し、出演するほとんどの映画は劇場公開されることはなかった。ラジー賞はゴールデンラズベリー賞のことで1981年にスタートし、記念すべき第一回の最低主演女優賞を「青い珊瑚礁」のブルックが受賞している。ちなみに身長は183cmと長身。

Oh!ベルーシ絶体絶命(アメリカ映画)Continental Divide

監督 マイケル・アプテッド

脚本 ローレンス・カスダン

製作総指揮 スティーヴン・スピルバーグ

出演 ジョン・ベルーシ

コメディアンのベルーシは「サタデーナイトライブ」で人気を博すとその番組の人気コーナーでもあった「ブルース・ブラザース」が1980年に映画化され主演としてダン・エイクロイドと共に出演。世界的な大ヒットとなる。人気のままに翌1981年に今作が公開されるもさらにその翌年の1982年3月にドラッグによって33歳の若さで急逝する。

すでに紹介したが脚本のカスダンはこの年は他に「白いドレスの女」で監督と脚本を、「レイダース/失われたアーク」では脚本と3作品に関わっている。

パラダイス・アーミー(アメリカ映画)Stripes

監督 アイヴァン・ライトマン

脚本 ハロルド・ライミス、他

音楽 エルマー・バーンスタイン

出演 ビル・マーレイ、ハロルド・ライミス

監督ライトマン、音楽バーンスタイン、俳優のマーレイとライミスは3年後の「ゴーストバスターズ」でも揃って組んでいるが、当初はマーレイの役はジョン・ベルーシの予定だったが前述した「Oh!ベルーシ絶体絶命」撮影の翌年に死去した為、マーレイに声が掛かった。マーレイも「サタデーナイトライブ」に出演して人気となり「ゴーストバスターズ」によって世界的な俳優として確固たる地位を築く。まだ無名の頃のビル・パクストンも出演している。

あとがき

Part 2. を終えましたが、いかがでしたでしょうか。懐かしいですね。本当はこれで終了の予定だったのですが、まだまだ1981年の映画はあるので急遽Part 3. まで行くことに致しました! では、次回もご覧頂けると嬉しいです。

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